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北海道の檜山(ひやま)地方って知ってるかな?
交通が不便・冬の日本海の荒波が怖い・山奥で誰もいないところ…。
ほんの少し北海道にくわしい人なら、檜山地方に対してややネガティブな印象を持っているかもしれないね(笑)
人口も少ないし、いろいろ不便ではある。
でもじつは、海の幸・山の幸ともに豊富な隠れた食材の宝庫だって知ってた?
お声がけいただき、檜山振興局主催の檜山の食材 魅力再発見!試食会に参加してきたよ。
檜山の食材が、絶品イタリア料理に大変身!
プロから学んだこと、現状と課題、リリオさんが感じたことをシェアするね。
檜山地方ってどんなところ?
まずは、檜山地方について。
北海道の道南(渡島半島)にある、
- 厚沢部(あっさぶ)町
- 今金(いまかね)町
- 江差(えさし)町
- 奥尻(おくしり)町
- 乙部(おとべ)町
- 上ノ国(かみのくに)町
- せたな町
この7つのまちで構成されているエリアのことを、檜山地方って言うんだ(画像:黄色く塗られたエリア)

檜山地方は、日本海に面したまちが多い。
昔から檜山の海産物は定評があり、ニシン漁で栄えた江差町はかつて江差の五月は江戸にもないと言われるくらいのにぎわいがあったんだ。
内陸部のまちにも、貴重な農産物があるよ。
今金町で生産している今金男しゃくは農家さん・農協が協力しあって、徹底した品質管理を行っているんだ。
農林水産省の地理的表示(GI)保護制度にも登録されている、ブランド品なんだよ(登録番号第86号)
毎年秋になると、大手スナック菓子メーカー湖池屋さんが今金男しゃくポテトチップスを発売。
ネットで話題、毎年楽しみにしている方も多い逸品だよ。
今金男しゃくがゴロッと入ってる、今金男しゃく黒毛和牛カレーも好評発売中。
レトルトだから、手軽に食べられるよ。
ただ、JRの路線がない・高速道路がない・路線バスの本数が少ないのは少々痛いかと。
観光目的で訪れる方はもちろん、実際にそこで生活している人にとっても不便。
エリアによっては、買い物難民の多い地区もあるみたい。
でも、逆に考えると自然豊かなところではある。
それを活かした観光資源も、最近は増えてきた模様。
乙部町の元和台海浜公園海のプールは、なんとバリアフリービーチ。
海にそのまま入れる車いすもあるんだって。
ぜいたくなキャンプ体験をしたい人には、今金町美利河(ぴりか)地区のクアプラザピリカでのグランピングがオススメ。
檜山初のグランピング施設でバーベキューしたり、併設施設の温泉に入ったり。
ひと味ちがうキャンプ体験は、心身ともにリフレッシュできるよ。
北海道瀬棚郡今金町にある、クアプラザピリカ。天然温泉と宿泊施設を備え、冬はスノースポーツが楽しめます。 道南一の雪質、美利河ダムや羊蹄山などの絶景もお楽しみ頂けます。
クアプラザピリカのそばには、前に紹介したピリカ遺跡もあるからぜひ行ってみてね。
檜山の食材魅力再発見!試食会
9月26日(月)、江差町のまなびっくにて檜山の食材魅力再発見!試食会が行われたよ。
講師は、札幌市イタリア料理イルピーノのオーナーシェフ川端美枝さんと、店長の得田茉菜さん。
札幌・時計台の近くにあるイタリア料理イルピーノ。 イルピーノでは、生産者が心を込めて育てた旬の北海道食材を食べごろの時期にご提供できるよう、日々、研究しております。 #札幌イタリアン #札幌グルメ #ワイン居酒屋
川端さんはフードコーディネーターの資格をお持ちで、北海道「食のサポーター」、北のハイグレード食品の審査員としてもご活躍なさっているよ。
カフェポンポンチセのオーナーさんからお声がけいただき、リリオさんもピエちゃんと一緒に参加してきたよ。

アンタも誘ってもらえてよかったね

北海道の名産品についていろいろ勉強してるけど
直接教えていただける機会は意外と少ないからさ
札幌イタリア料理イルピーノ・オーナーシェフ川端さんの講演

まずは、川端さんの講演から。
川端さんは自分のお店で厚沢部町のメークインなど、檜山の食材を使ってくださっているんだって。

生産者にとって「あなたが作ってる○○使ってるよ!」って言葉ほど
うれしいものはないよね!
とくに印象深かったのは、「食材を単品販売するだけじゃなく、まちの生活・文化・歴史などを一緒にPRしてはどうか?」という意見。
販売だけに力を注いでも、自分の存在を認知されてなかったら商品を手に取ってもらえない。
買ってもらうためには、まずこちらを知ってもらうこと。
だから、食材だけじゃなく産地のエピソードもPRする。
食材をきっかけに、足を運んでもらう…。
ここまで来るのがむずかしいなら、せめて名前だけでもおぼえてもらう努力をしないとね。
檜山の食材でイタリア料理!メニュー実演
講演のあとは、川端さんによる檜山の食材を使ったイタリア料理の実演。
この日のメニューは、
- たことじゃがいものサラダ
- じゃがいものグラタン
- 鮭ときのこのパスタ
- パンナコッタ イチゴのソース

厚沢部産のメークインやえぞまいたけ、乙部産のいちごなど、さまざまな食材が並ぶ。
ていねいに説明をしながら、プロならではのテクニックであっという間に一品完成。

たことじゃがいものサラダ。

熱々のじゃがいものグラタン。

軽快にフライパンを振りながら…。

鮭ときのこのパスタ、できあがり。

パンナコッタ イチゴのソースも添えて、コース料理完成。


おいしそう!楽しみだね!
実食!檜山の食材でイタリア料理

まずは、たことじゃがいものサラダから。

なんとこのサラダ、あたたかいサラダなんだ。
ホックリしたじゃがいもと、たこの柔らかさが絶妙!
ワインビネガーが効いた、サッパリしたサラダだよ。
たこは、お刺身用の足の部分を使ってるんだって。
頭の部分(お刺身用)を使ってもOK。
火を入れすぎるとかたくなるから、サッと炒めるくらいでいいらしい。
つぎは、じゃがいものグラタンを実食。

メークインをスライサーで薄切りにして、あえて水にさらさず牛乳・生クリームなどと一緒に煮るんだって。
メークインのでんぷん質がホワイトソースをかためてくれるし、食感も楽しめるよ。
ガーリックの味と香りが効いた、熱々の一品。
鮭ときのこのパスタ。

生きのこの食感・味が活きている、季節を感じる一皿。
アンチョビの塩気が効いておいしい!
ワインや焼酎、ジンと合いそう(お酒のチョイスはリリオさんの独断と偏見)


飲みたくなってきた…

…ピエも

そしてデザート!パンナコッタ イチゴのソース。
いちごは乙部町の宮田農園さんで生産されているすずあかねだよ。

宮田農園さんでは、アスパラといちご(品種:けんたろう・すずあかね)を生産しているよ。
いちごは高設栽培(地面に接していない栽培)だから、収穫したら洗わずそのまま食べられるんだ。
けんたろう(5月上旬~6月上旬)は、糖度高めの甘くておいしいいちご。
北海道を代表する品種で、人気も高いんだ。
すずあかね(6月下旬~11月下旬)は、甘酸っぱさと芳醇な香りが特徴。
この甘酸っぱさはお菓子とよく合う!
なので、ケーキや洋菓子などの材料として使われることも多いよ。

自分でお菓子作りする人にもオススメだね!

シンプルに練乳かけても合いそう!
すずあかねはまさに、今が旬。
地方発送も行ってるとのことなので、「食べてみたい!」という方は宮田農園さんのInstagramを見てみてね!
真っ赤ないちごの写真が、とてもキレイだよ。
サプライズで、カフェポンポンチセさんのコーヒーもいただいたよ。

食べ物には相性のいいコーヒーがあって、それをフードペアリングっていうんだって。
この日のコーヒーは、グアテマラ産。
ラテン系のさわやかで、輪郭がはっきりした味が特徴。
イチゴのソースの甘酸っぱさと、グアテマラ産のコーヒー豆。
お互いを引き立て合う、魅力的な組み合わせだよ。

ごちそうさまでした!
貴重な体験だった…!!
檜山の食材魅力再発見!試食会の感想
プロの手によって、檜山産食材のポテンシャルがさらに高められる…。
地元民としてこんなにうれしいことはない!と、あたたかい気持ちを胸に帰宅したよ。
檜山の地理的条件やブランドとしてやや弱い面、発信力・認知度など、思っていたより課題は多いと感じた。
だからこそ、川端さんがおっしゃっていたように産地のエピソードもPRしていかないといけない。
生産者さんだけがPRするとなると、今やっている仕事+マーケティング・広告・SNS運用などの業務が増えてしまう。
そうなると、メインの「生産」業務にシワ寄せが来てしまう。
生産以外の業務を外注できればいいけど、誰に依頼すればいいか?資金はどれだけかかるか?なんて問題も出てくる。
産地に住んでいるみなさんで「○○はおらがまちのブランド品だ!」ってプライドを持って応援できたら、生産者さんのモチベーションも上がるんじゃないかな。
ボンヤリした意見になってしまったけど、応援してくれる人が身近にいるとうれしいもんね。
ライターという立場で、生産者さん・飲食業に携わる方々をどう応援するか?
さまざまな発見があった一日だったよ。