日本の中でも人気の高い観光都市、小樽。
小樽運河や天狗山・堺町通りなど、どこを見ても絵になる美しいまちだよね。
そんな小樽のまちにもさまざまな歴史があり、まちを守るために奔走している方々のおかげで今の小樽がある。
先人たちが遺した自然・文化・歴史を継承し、訪れた人に小樽の本質を伝える方々がいらっしゃることを知っているかな?
お声がけいただき、小樽さんぽモニターツアーに参加して来たよ。
体験型ガイドインタープリターさんの案内で、今まで知らなかった小樽の魅力を体感!
歩いて、飲んで、食べて、五感で小樽を感じた一日だったよ。
インタープリターとは?
まず、インタープリターとは?
英語で書くとInterpreter。
「通訳者」「解説者」っていう意味なんだって。
地域の自然・文化・歴史を熟知し、それらに秘められた意味を教えてくださる方々のことをインタープリターと呼ぶんだ。
小樽インタープリターは受講するための応募条件もあり、
- すでにあるガイド団体に所属し、さらに実際にガイドをしている方
- 観光業(宿泊事業者・交通事業者など)に携わる方
- 教育機関に従事する方
この条件に当てはまる方が研修を受けられるんだって。
つまり、小樽インタープリターは小樽のおもてなしプロフェッショナル!
小樽さんぽモニターツアーで訪れた場所
小樽駅に集合
インタープリターさん・他の参加者さんとご対面
ロープウェイに乗って山頂へ
山頂ではインタープリターさん考案のゲームを体験
クルーズ船に乗船し小樽運河を水辺から眺める
ホテルソニア内レストラン IL ONAIにて小樽のお寿司を味わう
銀行街を歩き歴史的建造物を見学
名物のぱんじゅうでおやつタイム
軽く散策後解散
今回のツアー内容は、インタープリターさんが参加者のために企画してくださったそう。
五感をフルに使って小樽を体感する、ステキな時間だったよ。
小樽さんぽモニターツアーギャラリー
ここからは、インタープリターさんと訪れた場所の画像とエピソードを。
小樽駅
ツアーの集合場所は、小樽駅。
駅構内に入ってから入口付近を見上げると、数々のガラス製ランプが。
駅構内のランプは全部で333個あり、あの北一硝子さんで作られたんだって。
小樽駅はノスタルジックと現代的な雰囲気が同居した、おしゃれな空間だったよ。
駅から外に出ると、海が見える。
海までの通りには、電線がない。
なんと、電線を地中に埋めているんだそう。
そういえば道南・江差町のいにしえ街道も、電線が地中にあるんだよね。
景観のよい街並みをつくるには、こうした配慮が欠かせないんだね。
天狗山
のんびりとロープウェイに揺られ、天狗山へ。
展望台から見た小樽の風景を、パノラマビューでどうぞ。
インタープリターさん発案のレクレーション、色合わせゲームも行ったよ。
ルールはかんたん、
- 鬱金色(うこんいろ)
- 赤朽葉色(あかくちばいろ)
- 紫苑色(しおんいろ)
の3色のものを10分以内に天狗山の自然から見つけ出す
リリオさんは、
- 黄色い落ち葉
- 赤みがかったどんぐりの実
- 紫色の小さい花びら
を拾ってきたよ。
参加者のみなさんと、天狗山の自然の豊かさを実感。
頭も体も動かせるアクティビティを盛り込むことにより、参加者の記憶に深く残る。
インタープリターさんのガイドがひと味ちがう理由が、よ~くわかったよ。
小樽運河・運河クルーズ
小樽といえば、運河のイメージが強いかな?
実際に小樽に行ったことがなくても、ガイドブックなどで景色を見たことがある人も多いはず。
運河のすぐそばには、ふれあいの泉という湧水スポットがあるんだ。
飲用できるこの水は、硬度22%の軟水。
水がおいしい、ということは料理がおいしい。
お寿司やスイーツなど小樽グルメがおいしい理由は、良質な水が豊富だからなんだね。
ふれあいの泉の水を味わったあとは、小樽運河クルーズに乗船。
クルーズ船のキャプテンのガイドを聞きつつ、波の上から運河を望む。
澁澤倉庫や旧北海製罐倉庫など、歴史的建造物を間近で見られる貴重な瞬間。
ちなみに、運河は意外と深いらしい。
うっかり物を落としてしまっても、かんたんに拾うことはできないとのこと。
バッグの中にピエちゃんと貴重品が入ってたから、落とすのが怖くてたくさん写真を撮れなかったよ(笑)
ホテルソニアのレストラン IL ONAIでランチタイム
お昼ごはんは、運河のそばにあるホテルソニアのレストランIL ONAI(イル オナイ)でSUSHI御膳をいただいたよ。
「小樽に来たなら回らないお寿司を食べてほしい」と、インタープリターの下村さんがおっしゃってたよ。
色内銀行街
モダンかつ重厚な建物が並ぶ、色内銀行街。
ここにあるほとんどの建物が、小樽市指定歴史的建造物なんだって。
北前船の往来で古くから栄えた小樽は、北海道の要所だった。
だから、このまちに数々の銀行が集結しているんだね。
当時の最高技術を結集して作られた建造物、じつはセキュリティ面もすごいんだ。
泥棒に入られてもお金を取られないよう、さまざまな工夫がしてあるんだって。
ぱんじゅうでおやつタイム
ボリューミーなランチをいただいたにも関わらず、おやつタイムが(笑)
桑田屋小樽本店で休憩しながら、ぱんじゅうを食べたよ。
焼き立てホカホカ、外はパリッと・中はやわらか、あんたっぷり。
- つぶあん
- こしあん
- チョコレート
- クリーム
- もちあん
- 生キャラメル
- 抹茶あん
- カマンベールチーズ
の8種類から、リリオさんはカマンベールチーズをチョイス。
小ぶりサイズでおやつにちょうどいいよ。
時間に余裕があったら、あと3個は食べたかったな(笑)
堺町通り
おみやげを買うなら、堺町通りで。
北一硝子やルタオなど、メジャーな小樽みやげのお店がたくさん!
ツアーはここで解散、だったけど…。
「希望する方は田中酒造までご案内します」とのことだったので、つい手を挙げてしまった。
そして、手を挙げたのはリリオさんだけ…。
リリオさんのための!?小樽さんぽ特別ツアー
ここからは、参加者がリリオさんだけ(笑)の小樽さんぽ特別ツアーだよ。
タクシーに乗って、田中酒造の本店へ。
田中酒造は北海道産原料100%使用・オール純米酒へのこだわりを持つ、小樽市唯一の造り酒屋なんだ。
試飲コーナーもあったけど、車で来たリリオさんはあきらめる…(笑)
おみやげに、亀甲蔵酒粕せんべいを買ったよ。
後志産ブランド小樽美人の純米吟醸酒やフルーツ酒は、パッケージがかわいい!
おみやげにもちょうどいいサイズだし、全種類まとめ買いして飲み比べもよさそう。
田中酒造をあとにして、さてどうしようか?と迷っていたら…。
インタープリターの谷さんから、「北運河まで行ってみない?」とお声がけいただいたよ。
お言葉に甘えて、北運河からあちこち小樽さんぽ特別ツアー第2弾のはじまりはじまり~!
インタープリターさんのガイドひとり占め!小樽さんぽ特別ツアー第2弾
北運河エリアをブラブラ散策。
運河公園には、小樽の発展にご尽力なさった方々の軌跡が残されているよ。
廣井勇氏は、「港湾工学の父」と呼ばれた土木工学者。
小樽築港工事の指揮を執るなど、数々の功績を残したエンジニアさんだよ。
峯山冨美氏は、「小樽運河を守る会」の会長。
小樽運河再開発計画(なんと、運河を埋め立ててしまう計画!)が市議会で可決されてしまい、「小樽の街並みを守ろう!!」と市民の方々が1973年に小樽運河を守る会を立ち上げ。
峯山氏は立ち上げ当初副会長だったけど、積極的に活動を行い1978年に会長に就任なさったんだ。
この方々がいらっしゃらなければ、今の小樽の街並みはなかった…。
ここに来られて感慨無量、お誘いいただけて本当にうれしかった。
その後、北海道初の鉄道手宮線の跡地まで行ってみたよ。
きれいに残された線路跡のそばを歩きながら、当時に思いを馳せてみる…。
散策路も整備され、ところどころに手宮線の歴史が残されているよ。
鉄道ファンの方は、ぜひ行ってみてね。
中央市場の中を通り、小樽駅付近へ。
夕暮れどきの街並みは、昼間とはちがった雰囲気があってステキ。
そのまま龍宮神社に向かう。
境内から、街並みを眺める。
そこでふと、小樽駅で教えていただいた石川啄木のことを思い出した。
石川啄木といえば、函館のイメージが強い。
だけど、じつは1907年(明治40年)に家族3人で小樽に住んでいたことがあり、
かなしきは小樽の町よ 歌うことなき人人の 声の荒さよ
石川啄木 「一握の砂」より
という歌を詠んでいたんだ。
その後1年も経たずに妻と子を小樽に残し、自身は釧路に単身赴任したんだそう。
「かなしきは」っていうキーワードが、どことなく悲愴感を感じさせる。
でも、「悲しい」じゃなくて「愛しい」という意味を持たせてこの歌を詠んだのではないか?と言われているんだ。
たくましく生きる小樽の人々。
そして、このまちを包み込むにぎわい。
啄木は小樽のまちと人々に対して、尊敬の念を抱いていたんだろうな。
そんなことを考えながら、龍宮神社を後にする。
少し歩いた先の交差点で、インタープリター谷さんとお別れ。
来春また、小樽を訪ねてみたいな。
インタープリターさんオススメ!小樽みやげはこれを買え
小樽のおみやげといえばルタオにかま栄、いろいろあるよね。
何がいいか迷っちゃうくらい種類豊富な小樽みやげ、インタープリター下村さんのオススメは飴谷製菓株式会社の昔なつかしい飴だよ(画像参照)
さまざまな種類の飴が入ったカクテル玉を、下村さんからいただいたよ。
道産のてんさい糖を使用した優しい味は、子どもからお年寄りまでみんなにオススメ。
飴屋六兵衛本店では、バター飴や水飴などいろんな飴を買うことができるよ。
小樽運河の近くにお店があるから、ぜひ行ってみてね。
感想
まちをつくり、景観を守り、後世に残す。
小樽の方々の熱意は、石川啄木があの歌を詠んだときから今もずっとまちに息づいている…。
この仕事していると残念ながらたまに出くわすんだけど、現地に行ったことがない人がネット上の情報を拾い集めて観光ガイド記事を書いている、っていうのがあるのね。
リリオさんはそういう記事を「パッチワーク記事」って呼んでるんだけど、既視感だったり(ネタをパクってるから)内容がペラペラ・スカスカだったりする。
だから、これからはきちんと現地に赴いてお話を伺ったり、地元の方が発信する情報が脚光を浴びると信じているよ。
さいごに
お声がけいただき小樽さんぽモニターツアーに参加できて、本当によかった。
今まで車で通り過ぎていた通りや、前から気になっていた場所、あちこち時間をかけてめぐれるのは貴重な体験だったよ。
もし、これから小樽を訪れる方がいたらぜひインタープリターさんと一緒に小樽を歩いてみてほしいな。
さいごに、インタープリター谷さん、下村さん、日本旅行小樽支店のみなさん、ありがとうございました!
日本遺産本認定の際には、ふたたびご一緒に小樽さんぽできればうれしいです。